2023年2月7日火曜日

癖フォーム改善方法の誤解

・フォアハンドストロークで非利き手が垂れ下がっている。(もしくは両肩の延長線上に伸ばして固める)



・片手バックハンドストロークで非利き手が固まって宙に浮いている。(もしくは垂れ下がっている)



・サービスでトスした腕がラケットを振り上げるタイミングよりもぜんぜん先に下がってしまう。



他にも色々な癖フォームあるか思います。

今回はこれら癖フォームの根本原因と改善方法の考え方について検討してみました。


例えば、フォアハンドストロークで左手がだらんと垂れ下がっているフォームの方がいます。

一番残念なのは癖と片付けてしまいなにもしないことです。

フォーム改善に前向きな方は左手を体の前に伸ばすことを意識しショット練習に励みます。しかし、これで改善されるケースは少なく、ショット練習の時は出来たがラリーやゲームの時にはもとに戻ってしまうという経験を繰り返す感じではないでしょうか。

そこで、フォーム修正が定着しない原因について考えてみました。

まずフォアハンドストローク時に左手が垂れ下がってしまう理由です。ラリーやゲーム中は基本的に左手の動作に意識を割くことは困難です。(ゲーム中は相手・ボール・戦略だけで手一杯。) 従い、意識して左手を体の前に伸ばす練習を繰り返しても無意識では当然もとに戻ってしまうことになります。

しかし、練習を繰り返す中で左手が使えるようになる方も少数おります。練習を繰り返すことで修正出来る方と出来ない方との違いは次の様に考えます。

フォアハンドストローク時の体の動作は上体の捻り戻しによるスイングです。上体を横向きに捻る動作をしょうとする場合、左手は体の前に伸びていた方が体の構造上捻りやすいです。

一方、体を捻らずに右腕を後ろに引き腕力でスイングする場合、左手が体の前に伸びているとスイングの邪魔であり、むしろ垂れ下がっていた(もしくは両肩の延長線上に左手を伸ばして固めた)方が都合が良いことになります。

つまり、フォアハンドストローク時に左手が上手く使えていないからといって、見かけ上の問題点である左手の動作を直接いじっても、根本原因が異なるため改善効果が得られない訳です。

練習を繰り返すなかで上体を捻る動作を試す期会が有った方は左手問題解決の糸口が得られた筈です。


◆フォアハンドストローク時に左手か使えない根本原因はスイングエネルギー発生方法の乖離、上体の捻り不足と考えます。

◆片手バックハンドストローク時に左手が使えない根本原因はスイングエネルギー発生方法の乖離、上体の捻り不足と考えます。上体を後ろ側へ捻らず腕力でスイングしようとすると、左手や上体を固めることで右腕の右肩支点操作がやり易くなる為と考えます。

◆サービス時に左手が使えない根本原因はスイングエネルギーの出力方向の違いです。左手が使えない方はスイングエネルギーが前側(打球方向)であるのに対し、左手が使える方はスイングエネルギーが斜め上方向になっていると考えます。フォアハンドストロークの左手と同様で、サーブで打球方向にスイングエネルギーを発生させたい場合、上に伸ばした左手は邪魔なだけで身体側は少しでも早く下げたい訳です。


*癖フォームの改善方法を考える場合重要なことは、見かけ上の問題点だけに捕らわれず根本原因を究明することです。で、大概の場合スイングエネルギーの発生方法に乖離があります。スイングエネルギーの発生方法が異なれば、自ずと左手などのカウンターバランス動作は違う動きとなる訳です。つまり、その癖フォーム自体はスイングエネルギーの発生イメージに対して利にかなった動作をしていることになります。

従って、癖フォームを直すことはスイングエネルギーの発生方法や出力方向等を見直すことになる為、質の良いボールを怪我のリスクを減らし、より少ない体の力で効率的に打つことが出来ると考えます。

理想に向かって頑張ります!


《追記》

癖フォームの根本原因を考察していたら「腕や上体を固めて…」というワードが登場してきました。それで思ったのですが、よく「フォームがまだ固まっていない」といったりしますが、個人的にはフォームは固めるものではなく、自分の体からわき上がってくるもの(いわゆる感覚)だと思っています。だとすればフォームがまだ固まっいないと言われる方は、体からわき上がってくる腕や上体の固定(指令)操作にバイアスされているのかも知れません!?


《追記2》

癖フォームをなんとかしたい。理想のスイングに近付きたい。と思っている方へ自分も含めて提言です。今やっている身体の使い方で得ている感覚や、現状の身体操作する為の内部意識の延長線上に目指すものは見付からないと思います。(つまり、単純に練習量を増やしても、地道に練習し長い年月が経過したとしても問題は解決しないし、むしろ逆効果さえ有る。) 内部意識の発想を極端かつ大胆に身体操作を変えながらトライ&エラーを繰り返す中でしか、あらたな感覚は獲得出来ないものと考えます。(これはスキーの経験によるものです。)


《追記3》

かなり癖の強い方に限って我流なんで…。みたいないっけん謙遜した表現されたりします。まあ、確かにそうかも知れません。でも、テニスていうか身体の動きて、そもそもみんな我流だと思います。(誤解を恐れず言うと理想の我流を追及する作業)

だからと言って万人が何かヘンテコと感じるフォームを改善せず(出来ず!?)にその我流をつらぬけるのは、もはや自慢(我流は対応し難いので実は武器?!)と理解すべきなんだな~と悟りました。


《追記4》

ゲーム中は戦略とか相手の動き云々で自分のスイングを意識している余裕など無いと書きました。でも実はこの考え方がミスを誘発している気がして来ました。(もはや癖フォームとは違う話しですが…)
例えば、ラリー練習とかだと相手の球威にもよりますが、特にミス無くラリーが続けられます。で、この時戦略云々は考えていません。どちらかと言えばスイング動作の方に意識を使っています。つまり、スイングを意識通りにやりきることで正確なショットが得られる訳です。戦略を優先すると自分の技量ではスイングがおろそかとなりミスしてしまう予感がして来ました。


《追記5》

修正すべき対象はフォーム(形)では無くて打球の源となる「感覚」なのだと思います。スイングイメージだけだとまだ十分では無い気がしています。

・感覚 ≫ イメージ ≫ フォーム


《追記6》

コンディション(サーフェス、ボール、風、他)でフォームが崩れる。対戦相手(球質、打ち方、他)によってフォームが崩れる。よく言ったり・聞いたりするワードです。でも真実は、フォームが崩れているのではなくて自ら崩しているだけ。
本来ならコンディションや対戦相手に合わせて何かしら調整(体の移動量や振り出しのタイミング、他)する必要がある訳なのだが、単純にいつもやっている動きをしているから無理やり体や手先でボールに合わせている事になり、当然いつものフォームでは打てない。
テニスでとても重要なのは対応能力だと思います。
(ちなみに、スキーでも対応能力はとても重要で、色々な斜面や雪質を、色々なスピードやターンサイズで滑れないと上達は絶対望めません!)

テニスは対人競技
・気持ちよく出来るラリーでは現状維持
・やりにくいラリーの克服こそ成長の糧



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