今回は技術の修錬方法について記述します。
まず、スキーの話しからですが、競技スキーではカービング ターンが必須です。
カービング スキーを履けばカービング ターンみたいものは出来ますが、真のカービング ターンはそんな簡単な技術ではありません。
ここではカービング ターンの細かな内容ではなく、その技術を修得する過程で実施した練習内容と考え方を説明します。
カービング ターン開眼のヒントは当時(25年前?)習っていたスキーコーチのデモンストレーションだったりするのですが、その当時はその意味も・そのデモを真似ることも全く出来ませんでした。
でもまあカービングはしているし、なんとか出来てるのかな~くらいに思っていました。しかし、そんな思い込みは斜度の厳いバーンや、緩斜面であっても鋭角なターンが要求されるゲートセットにおいては、ターンの技術不足(真のカービング ターンではない)が簡単に露見されてしまいました。
そこで色々な練習を試しました。なお、当時の情報源はスキー雑誌や書籍、DVD、スキー レッスンへの参加、知り合いとの情報交換くらいでした。
ひたすら真のカービング ターンを得る為に、もんもんとした時間がそれから何年も続きました。
とんなある日、昔ヒントをくれたスキーコーチのデモをふと思い出して真似てみることにしました。
練習するバーンは中緩斜面、とにかくゲレンデの上から下までひたすらこの動きの修得を目指しました。
この動きを自分は「カービング ボーゲン」と呼んでいます。
一見、プルーク ボーゲンの様に見えますが、エッセンスが全く違います。
とにかく一日中この練習をやっていた事もあった気がします。
そうしていくうちに、ある時なにか今までにはなかった感覚がスキーから伝わった来ました。その感覚を確信とするため更に練習を継続しました。
考え方として一番大事なのは、「スキーに仕事をさせる事」その為には「スキーの性能を活用出来る身体の使い方をする事」です。
この練習によりカービング ターンの質は確実に向上して結果も良くなりました。
次に、テニスです。
5年前テニスを始めた訳ですが、その時からテニスにおける「カービング ボーゲン」を探す旅が始まりました。
ここに来てなんとなくその練習方法が見えてきたので紹介します。
特別新しい練習方法でも何でもないです。
それはズバリ「棒立ちショット」です。
少数のテニスコーチが「棒立ちショット」を取り上げているのでもしやご存知の方もいるかも知れません。
でも、この練習の真意を理解しようと取り組んでいる方は恐らく少ない予感がします。
自分も最初これを見た時、んー、なにをしてんだ!? と思いました。そして、手抜きショットと勝手の判断し、当然練習などには取り入れず忘れていました。
そして、糸口が見えないまま時間だけが流れました。
「カービング ボーゲン」と「プルーク ボーゲン」見た目の印象はなんとなく似てますが、エッセンスがぜんぜん違います。
で、ふと思ったのです。
あっ!そうか、一見簡単そうに見える・初心者用?ととらえがちな練習。実は「棒立ちショット」は「真の垂直軸ショット」なのではないかと!
言葉のニュアンスからは、棒立ち = 手抜き(手打ち) を連想しますが、当然手抜き(手打ち)なとではありません。むしろ真逆でこれこそ真のショットであり、ショットの根幹を体得する為の練習方法なのだと思いはじめました。
なかなかこの理解に到達出来なかった一つの要因として、あまりに多いYouTube動画のほとんどが、開脚でのパワーポジションでなければ競技でのストロークにあらず的な風潮に完全に感化されていました。(もちろんそれ自体は正しいと思います。)
テニスでも多分スキーと同じ考え方でよく、
考え方として一番大事なのは、「ラケットに仕事をさせる事」その為には「ラケットの性能を活用出来る身体の使い方をする事」なのだと思っています。
ちなみに、フェデラーはプラクティスの前半の方は棒立ちです。これはサボってるわけではなくて、スイングとインパクトに集中し、ラケットから伝わる情報を感じているのだと、自分は勝手に解釈しています。
(なぜなら、自分はスキーの滑り出しでカービング ボーゲンをやり、その日の調整をまず図ることが超重要な作業でした。)
まだこの練習法が超重要であるだろう事に気が付いたばかりなので、これからやりこんで行って結果に結び付けたいと思っています!
多分、垂直軸の軸ブレ(上下左右方向含む)、インパクトに向けてのスイングのブレや、インパクトでの面ブレを極限まで減らすことにより、極めて少ない身体からの(必要最低限の)エネルギーであっても、ラケットの反発性能を十二分に発揮させることが出来、質の高い打球が実現出来るものと想像しています。