前回はボールとラケットだけの話しをしました。この事象は純粋な物理現象だけなので個人差とかは無い万人共通の話しです。今回は少しだけ身体の話しにも踏み込みたいと思います。身体の話しですが切り口としては万人共通(?)の事象にしたいと思います。
さて、今回はラケットの次の部位である「腕」に関するスイング理論(?)の話しとなります。
よく「サーブではプロネーシヨンを使いましょう。」とか聞くかと思います。ちなみに、プロネーションの反対はスピネーションです。
今回唱える説は、実践での使用頻度はさておき全てのショット(ストローク、ボレー、サーブ、スマッシュ)は、「プロネーション タイプ」と「スピネーション タイプ」の2種類に分類出来るとうい提言です。
ショット別にその代表例を示します。またそれぞれのショットは球威の出しやすい「オフェンス系」と、ボールの回転、球際や緊急時に有利な「ディフェンス系」に分類しました。
◆FHボレー
・プロネーション タイプ
ハイボレーやパンチボレー ⇒ オフェンス系
スイング軌道は
「つの字」、「カマボコ型」
手の動きとしては、寝かせた親指を立てて終わる
・スピネーション タイプ
ローボレーやドロップボレー ⇒ ディフェンス系
スイング軌道は
「しの字」、「滑り台型」
手の動きとしては、立てた親指を寝かせて終わる
◆BHボレー
・プロネーション タイプ
ローボレーやドロップボレー ⇒ ディフェンス系
スイング軌道は
「しの字」、「滑り台型」
手の動きとしては、立てた親指を寝かせて終わる
・スピネーション タイプ
ハイボレーやパンチボレー ⇒ オフェンス系
スイング軌道は
「つの字」、「カマボコ型」
手の動きとしては、寝かせた親指を立てて終わる
◆FHストローク
・プロネーション タイプ
通常のスピンショット ⇒ オフェンス系
スイング軌道は
「への字」、「ワイパー型」
手の動きとしては、小指側から入いり親指をつきだし小指側見せて終わる
・スピネーション タイプ
ウィンドミル ⇒ ディフェンス系
スイング軌道は
「Cの字」、「ボーリング投法型」
手の動きとしては、手のひらから入いり手の甲を見せて終わる
◆サーブ
・プロネーション タイプ
通常のサーブ ⇒ オフェンス系
フォームイメージは「野球の遠投」、「ヤリ投げ」
手の動きとしては、地面に向けた親指が空に向いて終わる、手のひらを見せる感じ
・スピネーション タイプ
リンゴの皮むきサーブ ⇒ ディフェンス系
フォームイメージは「カーボーイの投げ縄」、「ブーメランの縦投げ」
手の動きとしては、小指側から入り親指をつきだして終わる、手の甲を見せる感じ
◆BHストローク、スマッシュ
<省略>
以上が今回の解説及び考察となります。
次にオマケとして、この「オフェンス系」と「ディフェンス系」において、手の指のどの辺の力を使うかという仮説です。話し半分でお願いします。
◆オフェンス系
小指と小指球側で握りこみグリップを引っ張る動きを使いボールを潰す様な/ボールに負けないラケット面をつくる。
◆ディフェンス系
親指と人差し指側で握りこみボールを削る様な/ボールを支える様な、もしくはボールを受け流す様なラケット面をつくる。
この指使い方は極めて個人的・感覚的のものだと思います。とりあえず思考/整理のキッカケの為に簡単にメモしてみました。また何か思い付いたら追記します。
追記です。
ショットの話しをすると人によって言っている内容が真逆てことがままあります。これにはおおざっぱに4つ理由が考えられます。
① 片一方の手の動かし方(プロネーション/スピネーションのどちらか)しか知らないケース。
② 状況(ディフェンス/オフェンス)設定が異なっている。もしくは状況で手の動きが変わる認識がないケース。
③ 2つの存在は知っているが、逆側の動きは好ましくないと思い込んでいるケース。(練習環境や入手情報による片寄った洗脳・誤解)
④ 取っ掛かりの段階で、片一方の動きはしやすいが逆側は動かしか難くい感覚のため、それ以来練習していないケース。
上記はいずれも自分に生じた事例です。
理屈整理すればたったこれだけの話しなのですが、なんでテニスの指導理論にまとまってないのだろうか? 個性とかでごまかしている予感もします。最初から2種類あると言ってくれれば両方練習するだけで、こっちがいいとか悪いとか余計な思考(遠回り)が減らせます。考えるべきは実践での2つの使い分けだと思います。
あと、プロネーションやスピネーションを使ってショットを打つ時の注意点です。
前腕の筋肉を意識的に使ってラケットを煽るのはケガのリスクが伴います。結果的に勝手にそうならざる得ないラケットのスタート位置、フレーム進入角度やラケットのスイング軌道をイメージし、これが自然に出来てしまう腕や肩、(身体)の使い方を模索することが重要と考えます。
追記2です。
例外としていくつか腕を捻らないショットもあるので書いておきます。(これらは3種類目に分類するのでは無くあえて例外としました。)
◆腕を捻らないショット
・厚い握りで正面のボレー(ソフトテニス系のボレー)
・厚い握りでの羽子板サーブ
・浅い球をランニングショットするとき、身体の前でラケットを固めたままボディーアタックの様に返球
・脇を閉めて上腕を固定し、肘と手首を支点としたチョップ型のショット(フレーム方向に手でスイングし面圧は手の握力で確保)
これらはボールに回転がかけ難い為、当たりの調整が非常に難しい。また、薄い握りだと面圧が得難いショットだと思います。
所で、肩を支点としたボレーやストロークで腕とラケットを真っ直ぐ下ろして打球する操作があります。この場合端からは一見腕を捻って無いように見えます。しかし、本人はボールを制御(負けない/受け流す)するためにどちらか方向に捻っている(面圧を調整している)と考えています。
ラケットをウエスタン(ラケット面と前腕が直角)以外のグリップで握った場合は、身体機能的に腕を捻った型で打球するのが自然であり、身体に負担が少ないと考えます。(まあ、弱いボールでしたらあまり関係無いかも知れませんが)
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